予防接種に関するQ&A
Q 予防接種の時間が決まっているのはどうしてですか?
当院では予防接種は平日13時30分から15時の間に行っています。この時間帯は健康な赤ちゃんだけしか院内にいないことになります。そのため院内感染は起こりません。病気がうつる心配をしなくてよく安全に予防接種を受けれます。
当院では発熱者は別の動線で移動するので年長児は学校が終わった時間での接種も可能です。お電話で問い合わせて下さい。
Q 予防接種って必ず必要ですか?目的は何ですか?
1. 私は、小児集中治療室を有する大学病院で長年小児救急医療に携わってきました。
はしかによる肺炎、重症百日咳、結核性髄膜炎、重症ロタウイルスけいれん、インフルエンザ菌による化膿性髄膜炎、肺炎球菌による化膿性髄膜炎、おたふくかぜによる難聴、インフルエンザ脳症、インフルエンザ肺炎など重症の感染症のため大切な命をなくした子ども達、命は助かっても重度の後遺症を残した子ども達をたくさん診てきました。
これらの重症感染症は予防接種により防げるものです。小児救急医療の現場では本当に予防接種の重要性を感じていました。小児の健全な成長のため予防医療を大きな柱にする所存です。
3. 予防接種の第一の目的は接種した個人を守る、第二に接種した集団を守る、、第三に集団を守ることによって感染症の流行を阻止し接種できない弱者も守ることです。それに加えて、第四の目的としては、海外とも連携し地球上から感染症を根絶または排除していくことです。予防接種により予防できる疾患は可能な限り予防していくのが、現代先進国における共通の目標になってきています。
Q 1回に沢山の種類の予防接種を一緒に注射しても大丈夫ですか?
同時接種_効果と安全性
ワクチンを同時接種した場合と、それぞれのワクチンを別の日に接種した場合では、抗体陽性率に差がないことが確認されています。また、同時接種では複数のワクチンを接種してもそれぞれのワクチンの有害事象、とりわけ重篤な副反応が増加することはないことが知られています。
病気にはかかりやすい年齢があり、複数の病気にかかりやすい年齢では、どの病気にかかるか予想できません。細菌性髄膜炎ではインフルエンザ菌b型(ヒブ)と肺炎球菌が主な病原菌ですが、いずれも生後6ヶ月ころから罹患者が増えてきます。生後6ヶ月までにヒブと肺炎球菌への免疫を付けておく必要があります。
同時接種することで来院回数を減らすことが出来ます。来院回数を減らすことの利点として
2. 受診による感染機会の減少
3. 接種率の向上
4. 保護者の経済的・時間的負担の減少
当院では日本小児科学会が推奨している予防接種の同時接種を行っています。
Q ロタテックとロタリタリクスの違いは何ですか。
ロタリックスは1価の弱毒生ウイルスワクチン、ロタテックは5価の弱毒生ウイルスワクチン(それぞれ1種類、5種類の弱毒化したロタウイルスがワクチンに含まれています。)という違いがあります。2種類のワクチンの有効性は同等と考えられています。
ロタウイルスワクチンは種類の異なるロタウイルスによる急性の胃腸炎の重症化予防にも効果があるため、どちらのワクチンを接種しても同様の効果があります。接種回数は、ロタリックスは2回接種、ロタテックは3回接種となっています。また、副反応の出現頻度についても差はありません。