感染症
各種抗原迅速検査法
小児科の診療を大きく変えた物に感染症の抗原迅速検査法があります。身近で有名なものにインフルエンザの迅速抗原検査法があります。当院では乳幼児の重症の咳に対してはRSウイルス抗原迅速検査、ヒトメタニューモニアウイルス抗原迅速検査を行って早期の治療を開始しています。
また、発熱で咽頭所見が強い患児には溶連菌迅速検査を行っています。溶連菌は適切な抗菌薬投与を行わないと溶連菌後糸球体腎炎を発症します。また、高熱が続く患児にはアデノウイルス抗原迅速検査を行って化膿性扁桃腺炎を鑑別する事で不必要な抗菌薬投与を予防しています。
年長児の咳が続く患児にはマイコプラズマ抗原迅速検査で診断し適切な治療を開始しています。これらの検査は咽頭や鼻腔のぬぐい液で行う事ができ10-15分で結果が判明します。
従来のような採血は必要ありません。当院ではこの様な迅速検査を取り入れていくことでエビデンス(根拠)に基づいた医療を実践しています。
血算 CRP
血算とは血液の中の白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値、血小板数の事です。赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値は貧血の指標となります。
感染症においては、細菌感染が体内で起こると白血球数が増加します。同時にCRP(C-反応性タンパク質) 値が上昇します。重症の細菌感染症を見逃さないため非常に有用な検査です。
当院では、耳朶からの微量の1回の採血で両方の正確な値を知ることができます。敗血症や川崎病など重症の疾患の診断に非常に有用です。